アンタレス(蔵人・アナスタシア)



時々、蔵人さまは
もの言いたげな瞳をする。
…決して何かを訴えられるわけではないのだけれど、
はっきりとはわからないのだけれども、
本当は私、
わかっているような気がする。
あなたの想い。



蔵人さまに見つめられると、
その瞳に吸い込まれそうな感覚に陥る。
身動きが取れなくなる。

いいえ、
身動きどころか、
どうやって呼吸をするのかさえも
わからなくなる。


でも、このまま
あなたの瞳に見つめられて
身動きが取れなくなっても、いい。


タオラバ タオレ
あなたのお望みのままに。

あなたの瞳の赤だけが
私を彩る。








僕は時々、
僕ではなくなる。

いつ僕でなくなるか、
それは自分がよくわかってる。

いつも元気なあなたは
いろんなところに興味があって、
いろんな人とも仲良しで―――


ボクダケデ イイ


あなたに触れるものは。
あなたを映すものは。

あなたをつかまえて、
からみとってしまいたい。
あなたがどこにもいかないように。

そんなことをすれば
あなたを殺すも同然だということは
わかってる。
こんな想いはあなたにとっては
毒にしかならない。

それでも、
それでも。

あなたのそばにいたいと、
この思いを受け止めて欲しいと願う心はとめられない。


あなたにとって、
「さそりの毒」なのだ、この思慕は。

願い事はただひとつ。

「あなた」








アンタレスとはさそり座のの心臓の名前だそうです。
プラネタリウムで解説されてました。
そして、七夕の話とかもきいてきたので、
いろんな妄想にかられて書いた小話ですので
いろいろごちゃまぜです。



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