あるところに
一人の若者と少女がいました。


二人が森を歩いていると
泉が見えました。


若者はどうしても泉に飛び込みたい衝動にかられ、
我慢できずに飛び込んでしまいました。

「ちょ、ちょっと、レヴィン!!!」


ボチャン!!!


「や、やだ、
死んだりなんかしてない…よね??」


泉は結構な深さがありそうでした。

若者はしばらく待っても浮かび上がってきません。
少女は不安でたまりませんでした。

「…本当に、あたしをおいていっちゃったの…?」

少女があきらめかけたその時、
泉から光が立ち上り…


なんと、女神が現れ、
若者を少女のもとに運びこんだのです。


しかし、若者は一人ではなく、三人になっていたのです。
困惑し始めた少女に女神は話しかけます。


「私は泉の女神・ブリギット。
お前が落したのは
アレクレヴィンかミデュールレヴィンか、それとも普通のレヴィンか?」

女神はちょっぴり威圧的に少女に問いかけます。


「なにやってんのよ、ブリギット!!
っていうか、落としたんじゃなくて、勝手に落ちたの!!
しかも、ミデュールはともかく、アレクとレヴィンの違いなんかないじゃない!」


少女は若者が無事であったことに安堵し、少女本来の強気にもどりました。


「レヴィンをめぐって女同士の喧嘩が起らないように、
それぞれにレヴィンを用意しようとしたのだが…不服か?
本来ならば、金と銀のレヴィンを用意したいところだったのだが、
あいにくシグルト軍は貧乏でな。
趣旨変えして、アレクとミデュールに白羽の矢があたったのだ」


「そいうこと♪しかし、冷たいな。よく見れば髪の毛の分け目が違うだろ」」
「すみません、主君筋には逆らえませんでした」
「でも、お前なら俺を選んでくれるよな☆」


三人の若者は好き勝手に話しました。


「あ〜もうっ!
ばかなことやってんじゃないわよ。
もうあたし、帰るからね!!」


少女は不安から安堵、そして怒りへと感情が移っていったのです。


「あ、まってくれよ、シルヴィア。
俺が悪かったって」


その後、若者はただひたすらに少女に謝り、仲直りしたという話です。


そして、その話を聞いた若者の息子は

「聞かなければ良かった」

と後悔しまくったということでした。




「本当はさ、フォルセティ継承できるシルヴィア、フュリー、ティルテュに
金、銀、普通の俺を選んでもらう予定だったんだ。
ま、資金不足で仕方ないわな。
せっかく喧嘩しないで済むように考えたんだが」

(…父上、僕の願いは貴方と縁を切ることだ。
ってうか、母上、よくこんな父上を選ばれたよな…。)






長いお話?に付き合って下さった方、ありがとうございます!
レヴィンの願いは「自分が三人になること」
コープルの願いは「本当の父親と離れること」

でも、こうしてみてみると
なんだかんだ言って、コープルはレヴィンの相手をしているのですから、
仲は悪くないのかも知れません(笑)

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