レスター・リーン |
さわさわと風がそよぐ。
こんな時には彼女がいる。
絶対、いる。
「今日はごきげんね、レスター」
どこからか、声。
歩みを止めて振り返る。
「俺はいつも“ごきげん”さ」
そう言いながら声のする方向に顔を向ける。
ほら、
彼女、がいた。
「うそばっかり。ラナが嘆いていたわよ。
『お兄様は無愛想だ』ってね」
「心外だな」
「そうね。結構わかりやすいのにね」
「それも心外だな」
「そう見えるってこと。
善処なさい」
そう言いながら彼女は笑う。
まるでまわりの緑に溶けていきそうだと思う。
そのくらい、彼女の動作は自然だ。
「努力するさ」
そして俺は歩みを元に戻す。
もう振り返らない。
今、彼女がどうしているかわかるから。
きっと、俺の答えに肩をすくめ、
それから木の幹に寄り掛かって目を閉じるんだ。
緑に溶けてしまうまで。
まめ的レスリンでした☆
FEの部屋に戻る